令和六年一月二十八日 (日) 午後一時より福勝寺では初不動を迎え護摩供を厳修いたしました。沢山のお参りがあり一年の良きスタートになりました。

振り返りますと、住職に晋山し三月で十一年目を迎えます。福勝寺は初代紀州藩主 徳川頼宣公の守本尊を置いた寺院であることから、今までお檀家さんを取らずに、地域の方に支えていただきながら歩んでまいりました。そのような事でなかなか一般の皆さんにお参りに来ていただく機会がございませんでした。

そんな折、先輩僧侶からは月に一度でも良いからお護摩を修法すれば、神仏も動いてくださってお参りの方もお見えになりますよ、絶対に変わるから・・・と教えていただきましたが、なかなか動けなかった未熟な自分が居たのを今でも覚えております。

ある日、やはり一人でも拝むことが大切だと決心してお護摩が始めると、不思議なことに今日までたったの一度もお参りがなかったことはありませんでした。

お不動様はもちろんのこと、初めの時からずっとお参りしてくださる方、新たにご縁をいただいた方、たまたまのご縁で来られた方…本当に皆さんに支えられてお祈りを続けさせていただいています。そして今年の初不動には沢山のご参拝いただき感謝の気持ちで一杯です。

護摩供はその時々に、其々のご事情やご縁によって集まって下さった皆様とつくる生きた法会だと考えております。一緒に読経してお祈りさせていただく時間は、お不動様にとっても、私にとっても掛け替えのない時間です。

祈ることの大切さを皆様から教えていただきながら、これからも一座一座を丁寧にお祈りしたいと思います。どうか皆様の願いが通じますように願ってやみません。

仏教用語に『和顔愛語』という言葉がございます。お不動様は私たちを守るために怖いお顔をされておりますが(笑)悩みごとや願い事はお不動様にお任せして、皆様におかれましてはできる限り和やかなお顔で、愛情のこもったやさしい言葉で、今年一年を過ごしていただければ嬉しく存じます。私もそのように努め精進してまいります。

一年間、毎月二十八日午後一時からお勤めいたします、自由参加ですのでどなた様もお気軽にご参拝くださいますと幸いです。心よりお待ち致しております。合掌

写真提供 久保浦 氏